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『定款(ていかん)』って?
「定款」はその会社の憲法会社を経営されている社長や取締役の方々はもちろんよくご存知だと思いますが、『定款』は、会社の組織や運営に関する基本的なルールを定めた、いわば「会社の憲法」のような存在です。『定款』には、「規則としての定款」という面と、その規則を表した許認可や登記申請時の添付書類という「書面としての定款」という面の“二通りの側面”があります。 会社は、会社法や商法等の関連する法律によって規定されている部分がありますが、『定款』は、それを改めて条文化する面と法定規定を確かに満たしている証拠文書の面を併せ持っています。 会社設立時に、定款だけが公証人による認証と登記官による審査という厳格なダブルチェックを受けるのもそういった理由から必要とされています。(認証を受けるのは株式会社の設立時のみです)かといって、すべての事項が法律等で決められているわけではなく、会社特有の基本的なルールも定款に盛り込まれます。 歴史ある会社ほど要注意!?設立されてから、10年、20年、30年と経営を継続されている伝統ある会社も数多くあります。その間、会社と密接に関連する商法も幾度となく改正されてきました。特に従来からの株式会社にとっては、改正の内容によっては定款を変更しなければならないものも少なくありませんでした。例えば、旧商法では、監査役の任期が平成5年以降に2年から3年に、3年から4年にと2回も伸長されています。ところが、定款を2年のままで変更しないで任期満了に伴う登記もしないでいると、百万円以下の過料に処せられる羽目に陥ってしまいます。また、会社法では、株式譲渡制限会社は取締役・監査役の法定任期である2年以内(監査役は4年)をいずれも設立時から最長10年に伸長することが出来ますが、会社法施行以前(平成18年4月以前)に設立された株式会社は、旧商法で設立最初の役員任期はいずれも1年以内の決算に関する定時株主総会までと定められていて、定款にもそれを記載されていることが少なくありません。この場合も、法律が変わったからと安心して最初の改選時に変更登記を怠ると百万円以下の過料の対象になります。 定款記載事項と登記事項定款の記載事項と登記事項とはどのような違いがあるのでしょうか?株式会社の場合、商号・事業目的・本店所在地などの事項は、定款記載事項・登記事項のいずれにも該当しますので、これらの項目を変更するときは、株主総会で定款変更が決議され、その議事録を添付して変更登記を申請します。役員任期・事業年度などの事項は、定款記載事項のみに該当しますので、これらの項目を変更するときは、株主総会で定款変更が決議されれば有効となり、変更登記の申請をする必要はありません。 会社法の施行を機に定款の見直しを会社法では、法律で定める定款の記載事項は必要最小限にとどめ、その会社の現状、方向性、成長に合わせてその会社自体が規定し変更できる「定款自治」による範囲を拡大しています。また、最低資本金規制が撤廃され、登記簿謄本だけではその会社の実態がつかみにくく、定款の内容によってその会社の法令遵守・内部統制・経営姿勢を理解しようという動きも出てきています。いかがですか? 専門的な内容が並んでいるので難しく感じられるかもしれませんが、会社の定款が変更前の年数のままになっていないか、廃止された項目が残っていないか、会社の定款をチェックしてみてください。 会社法の施行を機会に、会社の方向性や成長、社会情勢、法律改正などの環境変化などに対応して「規則としての定款」として見直し、貴社の現状と方向性を定款に反映させることは非常に重要です。まずは、会社の定款と登記簿謄本を比較・確認することから始めてみましょう。 「株式会社」の雑学 世界で最初の株式会社は、17世紀初めのオランダの「東インド会社」といわれています。当時のヨーロッパでは、船を使った貿易が盛んでした。しかし、造船には大金が必要ですし航海中に難破したり海賊に襲われたら大変な被害を被ります。そこで、限られた人だけではなく広く大勢の人から資金を集め、貿易で産み出した利益を出資した人々に分けました。万一被害に遭っても出資したお金をあきらめればそれ以上の責任はありません。こうして株式会社は誕生したのです。 日本においてはどうだったのでしょうか? |
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